ふたつのパレード

 2019年11月10日、わたしたちは記念すべき日を創りました。

各地でLGBTIQのためのパレードが続々と行われるなか、明石でもプライドパレードのレインボーフラッグが町を彩ったのです。

 すでに参加者のSNS投稿はもちろん、各紙にて報道された通り、88人の人たちが88通りの各々のプライドを胸に約1時間、明石の町を歩きました。

 開催を決めたのが、明石市議会9月定例会の後でした。

準備期間が2ヶ月もなかったわけですが、終始「誰でもどこでもプライドさえあればパレードはできる」という気持ちでした。たとえこれが数百人規模になったとしても基本的にこの思いはかわりません。各地でパレードが行われることは、大切なことだと思っているからです。

 今般、明石では次年度パートナーシップ制度導入が決まりました。

たしかに、その対象となっているLGBTIQの人々は存在している、でも多くの市民にはその存在が見えていません。

 例えば、レインボーフラッグを見たときに多くのひとが"LGBT"をイメージできる、このことが認識のはじまりだと思います。

 クローゼットの仲間が自分の町のパレードに参加できない場合にも、近くの町なら参加できるということもあると思いますし、小さなパレードを応援してくれる仲間が遠くから集まってくれるということもあると思います。

 今回は、各地から集まってくれた参加者があり、その顔を見つけては感動するばかりでした。

 この場を借りて、各地から来てくださった参加者、地元や姫路、神戸から来てくれたひと、パレードが無事進行するように動いてくれたひと、ひとりひとりに心からありがとうと言いたいと思います。

 そして、明石プライド・パレードが目指した「青森レインボー・パレード」の3人の共同代表のうちのおふたりが来てくださったことに心から感謝しています。(泣きそうだったけど、我慢しました)

 

 参加者のみなさんは、気づいたでしょうか。明石警察署の警備交通課のみなさんの警備。パレードを急かすことなく、安全にまとまって歩けるように配慮してくれていました。開催前にも何度か連絡をくださって

当日安全にパレードが進行できるように丁寧に打ち合わせをしてくださいました。

 

 また、わたしたちに寄り添うことを改めて「誓って」くださるメッセージをくださった泉市長にお礼を申し上げます。泉市長のメッセージは明石だけでなく日本中のLGBTIQを勇気づけるものです。全国の市長がこんな感じだったらどれだけいいでしょう、と思いました。

 

 共同で主催した「そらにじひめじ」の代表の「明石でパレードはよかったけど、やっぱり自分の町ではまだ...」という言葉がずっと引っかかっていたまま一週間が過ぎ、いろいろと考えました。

 自分の町を「自分のありのままの姿で」歩けない、こんなことがずっと続いていいはずがない、常にそう思っています。

 今日、一週間を経て「仲良うしようよひめじ2019」パレードにも参加しましたが、やはり自分の町だからこそ「歩くことに不安と恐怖がある」仲間の話を聞くと胸が張り裂けそうでした。

 今日のパレードに掲げられたテーマは「多様性」だったと思います。サムルノリに先導され、ちんどんの楽しい演奏、ジャンベの響き、はたまたノリノリのREMIXなどに合わせて「こんにちは」と市民に声をかけながら商店街や繁華街、メインストリートを歩くパレードでした。このパレードがもっといろんな人が参加してまぜこぜになっていくのが楽しみ(と勝手に妄想しています)です。

 

 セクシュアリティ、ジェンダー、国籍や文化、障がいなどの「違い」を大切にする、というのが「ソラニジ・アカシ」で掲げているテーマです。

 「そらにじひめじ」は「LGBTのほか、生活に困っていたり心の病を抱えたりしている人、「ひきこもり」に悩んでいる人などが、自由に集まり交流できるコミュニティスペース」です。

 LGBTIQに限らず、あらゆるマイノリティであるために生きづらさを感じている人はたくさんいます。それをそのまま、ごちゃごちゃ言わずに受け入れていくダイナミックなうねりがほしいなあと思いつつ、姫路を後にしました。

 二週続きで出会った人たちがたくさんいたのがすごいなあと思いました。文化っていうものはこういう行ったり来たり移動したりすることで動いていくのですから。